Wanxiang America Ni Pinの企業戦略

https://courses.edx.org/courses/course-v1:HarvardX+SW12.10x+2016/courseware/d6876147dc8044b28e8913f933f8b065/b6884e419427432896c372623cc28778/?child=first

 
これは、例の万向集団(Wanxiang Group)のWanxiang Americaのプレジデント、Ni PinのHBSのクラスでの学生との質疑応答の動画。

Wanxiangの企業戦略について、非常に明快に語っていて、興味深い。

 

面白いと思ったポイントは2つで、一つはWangxiang Americaの戦略そのもの。万向集団自体は、工場から出発したがちがちの製造業でありながら、Wanxiang Americaは製造業とPE(プライベートエクイティ)の中間のビジネスモデルだと言っていること。要は、投資会社に近いと言っているのです。

買収した会社はブランドは変えないし、資本の手助けも、マネジメントの手助けもなんでも援助する。でも、事業内容に口出しはせず、やることは、その会社に任せる。
ただし、判断基準は、明快にどれだけお金を儲けられるか。また、事業を選ぶ基準は、他社にない競争優位性があるかどうか。Ni Pinは、ビジネスは簡単だが、競争優位なビジネスモデルを構築できるかどうかに掛かっていると繰り返し言っていました。
この基準は非常に明快で、他社にない競争優位があって、お金がもうかれば何でもする。逆に、競争優位が無くなれば、今の本業の自動車部品業でも、さっさと売り払ってしまうと断言してました。

これだけ見ると、投資会社そのものですが、製造業の会社は、投資会社に買われることに抵抗があるとのことで(利益を搾り取って捨てられるイメージ)、そこは製造業の顔をしているほうが、信頼関係を作りやすいそうです。

日本の製造業の会社でこういう思想の会社は聞いたことがなく、発想が根本的に異なると思いました。(ソフトバンクに近いかもしれません)。

 

 もう一つはNi Pinのプレゼン自体です。流暢な英語で、ユーモアを交えて非常に力のあるプレゼンをしていました。
 彼は華人ではなく、Ph.Dからアメリカに留学に来ているので、英語は外国語のはずなんですよね。ちなみに、中学から修士まで、中国で日本語を勉強していたと言っていました。

 長年アメリカに住んで仕事しているとはいえ、学生からの質問への回答でこれだけの明快で説得力のあるプレゼンを英語で出来るというのはやはりすごい能力だと思う。アメリカで成功した要因は、このNi Pin の能力にもかなり依存しているのではと思った。
 日本人の大企業経営者で、英語でここまで明快に戦略を語れる人はお目にかかったことは無い。。

大変勉強になるビデオだったので、興味ある人は是非。